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by chintaikanfc

「実例でよくわかる!人が集まるチラシの作り方」を読んで

情報システムの田中です。
残暑が厳しいですが、そろそろ秋ですね。
この時期は服選びが難しいです。
ついつい、すれ違う人のファッションチェックをしてしまう今日この頃です。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は「実例でよくわかる!人が集まるチラシの作り方」(著:坂田静香)を読んだので簡単にまとめます。
今まで装飾的なデザイン手法に関するものはいくつか読んでいたのですが、情報設計の実例集は初めて見つけました。
本書の内容を少し引用しながらまとめていきます。

【目次】
・本の概要
・企画ありき
・媒体の特徴をつかむ
・ユーザーを考える
・感想


▼本の概要


■著者

著者は坂田静香さんです。
NPO法人男女共同参画おおた理事長、兼大田区の男女平等推進センター「エセナおおた」センター長を務めておられます。
企画した講座のほとんどが定員オーバーとなり、平均応募率は300%を超えた実績をお持ちです。

■内容

チラシ作りにおける重要なポイントが書かれています。
実例は、育児や働き方に関するセミナーのチラシが多いです。
改善前と後の紙面が掲載されており、どこを改善したのかが説明されています。
ビジュアル的な美しさは削っており、誰もが実践しやすい情報設計についてを特化した内容です。

紙面の中身は、どちらかというと、商売色が強いものでなく地域活性のためのものに寄っています。
ほとんどの企業ではモノを売り、利益を目的としたチラシを作っていると思いますが、共通して参考になる部分が多いように思います。



▼企画ありき


■チラシを変えて集客できるのは、企画がよいから

著者はチラシ作成の前に、企画自体が先に重要であることを複数の章に渡って何度も強調しています。
それは、チラシが原因で集客ができないと思い込んでいる人が多いからだそうです。
しかし、企画そのものが悪ければいくら宣伝してもダメなのです。

チラシを作成する前に、まずは企画そのものにニーズがあるかどうか、しっかりマーケティングしてから臨んでください。(p.26)

では良い企画単体ではどうでしょうか。
折角の素晴らしい企画も知ってもらわなければどうしようもありません。
そこで初めて広報手段が役に立つのです。
企画と広報は掛け算です。
どちらかがゼロであれば、結果はゼロになってしまいます。

企画も広報もどちらにも力を注ぐように心がけてください。(P.34)




▼媒体の特徴をつかむ

いくつかの媒体について解説がされています。


■ネット時代でも紙のチラシは効果的

インターネットは、ほとんどの人がアクセスできる現状にあります。
そのため、紙媒体と比べると、うまくいけば手間を少なくした上で多数へのアプローチを見込める広告媒体です。
しかし、デバイスの制限を受けず、その場で誰もが確実に見ることができるのは紙媒体なのです。
広報ツールに万能なものはないと思っています。(p.32)



■ポスターとチラシの違い

媒体の特性の違いを意識し、使い分けることでより良いものができます。
著者は、ポスターとチラシの違いを以下4つ挙げています。
1. ポスターは貼っているのを見るだけ。チラシは持ち帰りが可能
2. チラシは表も裏も情報を載せられるが、ポスターは表だけしか使えない!
3. ポスターは全面見せられるが、チラシは上半分が勝負!
  (たいていのチラシラックは、チラシの上部分だけが見えるように重なっています)
4. チラシはA4、縦置きが原則。ポスターは大きさ自由、縦でも横でも可能
  (たいていのチラシラックは、A4サイズで縦置きのチラシ用で作られています)(p.139~)

また、シーンを想定した情報の載せ方にも言及しています。
私がチラシをポスターに変える場合に、まず削除する情報は地図です。
地図は手元にあればそれを見て目的地までたどり着けますが、ポスターは持ち帰ることできないため、
地図が載っていても、あまり意味がないと思っています。(p.140)

媒体の発信方法、ユーザーの受け取り・使用状況が考えられている例です。



▼ユーザーを考える


■参加者にとって必要な情報を目立たせる

下記は著者がチラシを作るときの流れだそうです。
1. チラシを手にとってほしいターゲットを絞る
  (ターゲットによって文字の大きさや言葉づかい、色づかい、フォントがまったく異なります)
2. ターゲットに響くタイトル、キャッチフレーズを決める
  (タイトルは多少長くてもよいので、ゴールの見える断定形がよいでしょう)
3. ターゲットに響くイラスト、リード文を準備する
  (ビジュアルで訴えるにはイラストは重要です。リード文とは、セミナーの概要や企画者の思いが表現できる部分です。)
4. 手にとってもらえるレイアウトを工夫する。
  (イラストや文字の配置を考え、読みやすくします)
5. フォントやデザインを工夫し、バランスのとれたチラシにする(p.41)

さらに、必要最低限の情報を3点で言い換えています。
必要最低限の情報とは、「何をするのか」「いつ行うのか」「どこで行うのか」の3点です。(p.141~)


■最初にチラシを見るのは誰か?

本の中から1つ具体例をご紹介します。
下記は、男性の育児参画とワーク・ライフバランス(仕事と生活の調和)の浸透のためのセミナーに使われたチラシの考察です。
以下、参加を促すため、3つのポイントを引用します。

●悩んでいることを解決する
国立女性教育会館が実施した子育てに関する国際比較調査によると、日本の父親の4割以上は「子どもといる時間が短い」ことに悩んでいると答えています。
これはほかの国と比較すると、もっとも高い数値でした。
悩んでいることが解決できる講座であれば、集客は可能です。(p.48)

●企画からキャッチコピーの吟味
しかし、子どもとセットにしたとしても、女性ばっかりの中に男性は自分ひとりというのは居心地が悪いものです。
したがって、参加者はパパがメインだと謳ったほうが、集客できます。

つまり、「パパ限定」にする、もしくは「パパのための」という言葉が目立つチラシにすること(p.48)

●パートナーの賛同を得る
この種のチラシは妻が発見して持ち帰るケースが多いため、妻の賛同を得られるようにかわいらしいデザインとイラストを使い、全体的にやわらかく丸いイメージで作成しました。
ママが出向くような場所にチラシを置くこともポイントです。(p.48)

この他にもセミナーの開催日を土曜でなく、日曜の午前中にすることで金曜までの疲労を避け、そのまま家族で遊びに出かけられるよう配慮したとのことです。
主催側の都合を押し付けず、ユーザー視点で考えられる客観性が必要です。



▼感想

この本を読んで特に印象的だったのは、始めの「企画ありき」という部分です。
チラシだけで集客率をアップさせるには限界があり、元の企画が悪ければ小手先の工夫だけでは大きく集客率を上げられないのです。
最近もやもやと思っていたことがはっきりと書かれていてスッキリしています。
この本では広報の手段としてチラシを大きく取り上げていますが、他にもインターネットなど、どの媒体にも言えることだと思います。
最近言われているコンテンツファーストの考え方ですね。
前回書いたレスポンシブWebデザインにもこの考え方が使われています。

私は営業スタッフのキャンペーンなどの企画を聴取してから広報のためのチラシなどを作っています。
ですが、依頼者の考えている企画が本当にユーザーに刺さるのか疑問を感じるときがあります。
今まであまり企画には口出ししてこなかったのですが、それが良くないとも思っています。
ただ広報のためのツールを作るだけでは無責任で、企画そのものにも言及できるように事情を聞いた上で提案していく姿勢が必要なのです。
そのためには、私自身が営業スタッフの方にも理解と聴取の時間をいただくように働きかけないといけません。
折角やるなら制作にかかる時間、印刷代、配布の手間、ムダにしないようにしたいものです。
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by chintaikanfc | 2014-09-08 18:09 | プライベート